暑い環境と寒い環境、 運動にベストなのはどっち?

これまでの研究によって、高温と低温の環境下でのトレーニングは、それぞれ異なる成果が期待できることが分かっています。

寒い環境は、体をよりたくましく鍛えるためのトレーニングに活用されます。外気温が低いことで体温の調節機能が向上し、普段よりも長く運動することが可能となります。結果、より多くのカロリーを燃焼することにつながります。また、寒い気候条件と戦うために、いつもは「白い脂肪」として蓄えている腹部や太ももの脂肪を、カロリー燃焼のための「褐色の脂肪」に変えようする臨床徴候が現れます。

人間は、暖かい季節より冬の季節に褐色脂肪の遺伝子マーカーをより多く持ちます*。体が体内温度を保とうとするため、冬の方が、カロリーをわずかに多く燃焼する傾向があります。

冬の寒い条件下でのトレーニングのメリットは分かりましたが、常夏のタイでは現実的ではありません。では、暑い環境でのトレーニングのメリットは何でしょうか?大変ユニークな利点があります。それは、涼しい環境下でのパフォーマンスを向上させることです。涼しい気候で開催される大会に向けてトレーニングをしている方には朗報です。

オレゴン大学の研究者たちが2010年に実施した調査では、訓練を受けたサイクリスト20人に10日間の適度なトレーニングを受けてもらいました(90分のサイクリング後10分の休憩)。唯一の違いは、最初のグループが104度の過酷な暑さで訓練したのに対し、もう一つのグループは涼しい55度で訓練したことです。 10日間のトレーニングが終了した後、全ての参加者を集めて、55度でテストを行いました。高温下トレーニングを受けた参加者は、涼しい気温では6%もより速く走り、さらに5%以上の有酸素パワー(Vo2max値を測定)、5%以上の乳酸性作業閾値、そして約9.1%以上の心拍出量の向上が確認されました。

このテスト結果の背後にある理由は何でしょうか。研究は、高温下トレーニングを受けた参加者が、血中により多くの血漿を持っていることを指摘しました。暑さの中での有酸素運動は、最終的に体温調節のために血液を使うことになります。暑さの中で運動を継続するには、筋肉に血液を送る必要があります。また、体を冷やすために皮膚に血液を送る必要もあるため、筋肉と皮膚の間で血液の取り合いになります。血液が足りないと体が感じると、血漿を増生しようと働きます。この体の働きが、より涼しい環境下でのパフォーマンスの向上をもたらすと考えられています。血液量の増加は心臓を刺激し、血液の酸素容量を増加させることにつながります。

結論として、特に涼しい気候で競争しているならば、暑い国でトレーニングすることには大きなメリットがあります!